わさび農業は儲かる
しかし、流水のそばでないと栽培が難しく場所選びが大変だったり、機械化が難しい農業でもあります。
この記事では、わさび農業の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
わさび農業の年収
農業全体の平均年収が300万円を下回る中で、わさび農業の平均年収はかなり高めです。
このわさび農家の平均年収には、他の作物での収入を加算していないので、他の作物も兼業で作っている農家の年収はさらに多くなります。
わさび農業の初期費用
それほど広い畑も必要ありませんし、わさび農業は他の用途に適さない土地で行うので、土地の取得費用も安めです。
また、コンバインのような大型機械も必要ないので、農業の中では初期費用がかからない部類に入ります。
わさび農業のメリット
メリット1:高単価
わさびは薬味として主に使われますが、種類としては野菜に属します。
しかしその価格は野菜としては破格で、小売価格で100gあたり1,000円以上にもなります。
メリット2:面積当たりの収益性が高い
メリット1で述べた通りわさびは高単価な商品なので、おのずと畑の面積当たりの収益性も高くなります。
よって、他の作物に比べて土地の取得費用が安くなることが多いです。
また、他の作物では利益にならないような狭い土地でも、わさび農場としてなら運用出来ることもあります。
メリット3:ライバルが少ない
わさび農業は、高度な栽培技術が必要であることと土地を選ぶ農業なので、安易に参入しにくいです。
つまり、ライバルが急に増えたりしにくい農業とも言えます。
多くの農作物はブームが訪れたり、"儲かる"という噂が広まると一気に参入者が増えて価格相場が崩壊します。
そういった心配をしなくて良いのもわさび農業のメリットでしょう。
わさび農業のデメリット
デメリット1:栽培が難しい
わさびは、あらゆる農作物の中でも特に栽培が難しいと言われています。
わさびの辛み成分であるアリルイソチオシアネートは、他の植物の成長を阻害する効果がありますが、自分自身もその影響を受けてしまいます。
そこで、農家は川の近くにわさび農場を作り、常に川の流水でアリルイソチオシアネートを排出する方法を取っています。
その際に問題となるのが、わさびは涼しい気候を好み、最適な水温も12~13℃ということです。
天然の川を流れる水は季節によって水温を大きく変えてしまうので、長期的な計画や細かな調整が欠かせませんん。
このように、他の農業と大きく栽培方法が異なるので、素人が簡単に始められるものではありません。
デメリット2:機械化が難しい
わさび農業は特殊な栽培方法を行うので、機械化や大規模化が難しい農業です。
一人で手作業で管理しきれる分しか栽培することは出来ません。
広大な畑を用意して、大型機械へ設備投資し、大量の人員を雇って大規模経営をしたい場合は、他の農作物で農業を始める方が良いでしょう。
デメリット3:水害に弱い
天然の川岸で栽培をするわさび農業は、他の作物に比べて川の増水や山の土砂崩れの被害を受けやすいです。
こればかりはどうしようもないので、最低限の貯金を作っておく程度に留めておき、それよりも質の高いわさびを作ることに心血を注ぎましょう。
わさび農業のコツ
コツ1:水の綺麗な土地
わさびは常に流水に触れながら成長をしていきます。
よって、その水質はそのままわさびの質に関わります。
各地の水質をしっかりと分析してから最適な土地に農場を開くことが成功のコツです。
コツ2:長野県、静岡県、岩手県
わさびの生産量は次のようになっています。
都道府県別わさび生産量
1位:長野県(43.4%)
2位:静岡県(25.5%)
3位:岩手県(18.1%)
4位:高知県(3.3%)
5位:島根県(3.0%)
上位の3県で国産わさびの約9割を生産しています。
どこも水が綺麗なことが有名な地域です。
わさび農家を目指すのなら、長野県か静岡県か岩手県への移住を考えましょう。
コツ3:独自販路を持つ
わさびは野菜の中でもかなりの高単価商材なので、ネットショップを開業して個別に発送をしても送料で赤字になることはありません。
独自の販路を持つメリットは、価格を自分で決めることが出来ることです。
JAに卸すと相手の言い値で買い取ってもらうしかありませんが、独自販路なら自由に価格を決められます。
また、JAやスーパーなどに中間マージンを支払う必要が無い点も見逃せません。
まとめ:わさび農家は土地選びが重要
その際に注意したいのが土地選びで、綺麗な水が流れている川沿いに畑を作れるような開けた場所を見つけるのは大変です。
もしわさび農業に興味を持った方は、長野県、岩手県、静岡県を中心に農場を探すと良いでしょう。