オクラ農家は儲かる


 オクラ農業は、他の作物に比べて栽培が簡単で初心者にもおすすめです。

 しかし、夏の繁忙期に人手が必要になったり、痒さ対策をしておかないと痛い目を見るなど注意点もあります。

 この記事では、オクラ農業の年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。


オクラ農家の年収


 オクラ農家の平均年収は300万円です。

 オクラ農家の年収は、農業の中では平均的です。


オクラ農家の初期費用


 オクラ農家の初期費用は300万円です。

 オクラ農業は大型の機械を導入する必要がないので、少額で始められるメリットがあります。


 さらに収入を上げるためにハウス栽培をする場合は、ハウスの建設費用に500~1000万円の費用がかかります。

 ハウスの建設費用は高額ですが、しっかりと経営していけば収入アップに繋がるので、本格的にオクラ農家になるのならハウス栽培は検討の余地があります。


オクラ農家のメリット


メリット1:高単価

 オクラは、1kg当たりの売り上げ額が大きい作物です。

 1kg当たりの卸売価格は約950円で、"トマト"の350円や、"ネギ"の420円、"キャベツ"の80円と比べてもかなり高額なことが分かります。

 1kg当たりの単価が高い方が、輸送費や梱包代などの諸経費が相対的に安くなるので、"キャベツ"や"トマト"に比べてオクラの方が儲けやすいと考えることも出来ます。


メリット2:収穫期間が長い

 オクラは気候にもよりますが、6~8月が収穫期間です。

 1つの株から20~30個のオクラの実がなるので、この2ヶ月間は毎日商品を出荷出来ます。

 1つの作物で2ヶ月間も収入を生み出し続けてくれるものはあまりなく、オクラ農業が人気の理由の一つになっています。


メリット3:栽培が簡単

 オクラは栽培が簡単な野菜として知られています。

 その簡単さからオクラは家庭菜園でも人気の野菜です。


 途中で間引きや害虫対策など多少の手間はかかりますが、他の作物に比べれば作業量も多くありません。


オクラ農家のデメリット


デメリット1:かゆい

 オクラの茎や実には細かな産毛が生えています。

 また、オクラにはネバネバ成分も表面に付着しています。


 これらの産毛やネバネバに触れると肌が荒れて強い痒みに襲われます。

 そうならないために、オクラ農家は必ずゴム製かビニール製の手袋で肌を保護しています。

 なかには、こうした痒みが嫌でオクラ栽培を避けている農家もいるくらいです。


デメリット2:収穫に手間がかかる

 1つ20円ほどのオクラと1つ100円ほどのトマトを収穫する手間にそれほど差はありません。

 しかし、同じ売り上げを作るには、オクラの方が5倍も多く収穫する必要があります。

 小さくて単価の低いオクラは、収穫の手間が他の作物と比べて相対的に多くなります。


 その上、オクラの実の成長速度は凄まじく、1日収穫が遅れるだけでも実が大きく固くなってしまい商品として出荷出来なくなります。

 オクラ農家の中には、1日2回の出荷作業を行っている人もいるくらいです。

 これが収穫期の2ヶ月間に毎日行われているので、オクラ農家の繁忙期は大変忙しいものになります。


デメリット3:虫が付きやすい

 オクラは害虫被害の多い作物です。

 特にアブラムシの被害が多く、農薬を散布したり虫の付いた葉を切除したりと、害虫対策を精力的に行わなければオクラを枯らしてしまいます。

 せっかく農業を始めるのなら"無農薬"という言葉に惹かれますが、枯れてしまっては元も子もないので、必要に応じた農薬の使用も検討しましょう。


オクラ農家のコツ


コツ1:独自販路を持つ

 オクラは、1kg当たりの単価がおよそ1,000円と高めの野菜です。

 これくらいの価値があれば、独自にネット販売をして個別に発送をしても送料で赤字になることは少ないです。

 独自販路を持てるくらい高品質なオクラが作れるようになれば、さらに高値で販売しても売れるので、将来的なネット販売を念頭に高品質なオクラ作りを始めるのも良いでしょう。


コツ2:ハウス栽培

 オクラは夏野菜なので6~8月に出荷を迎えます。

 しかし、近年では旬や季節野菜という考え方自体が希薄になっており、消費者としては1年中好きな時にオクラを食べたいと考えます。

 そこで、ハウスを建てて施設栽培をすることで、夏以外の時期にもオクラを出荷すると売り上げをさらに伸ばせます。

 ハウス栽培をすると燃料代が余計にかかりますが、それ以上に高単価で販売出来るので儲かります。


コツ3:夏の人手確保

 オクラ農業は、栽培の手間はそれほどかかりませんが、収穫に多くの手間がかかります。

 それを一人ですべて行おうと考えると、生産出来るオクラの数に制限がかかってしまい、年収も頭打ちになります。


 そこで、夏の収穫期だけアルバイトを雇って大規模経営することをおすすめします。

 しかし、田舎で農業をするとなると、近隣の農家も同じ時期に人手を求めているはずなので、労働力の取り合いが起こります。

 そのため、"お土産付きのボランティア"としたり、"農業体験"として人手を集めている農家もいます。

 何が正解かはそれぞれの農家の状況にもよりますが、事前に計画して人員を確保しておかないと、せっかく作ったオクラを腐らせてしまいます。


まとめ:オクラは夏の繁忙期が勝負


 オクラ農業は栽培難易度が低く、初心者にもおすすめです。

 しかし、収穫期は毎日休む暇もなく収穫を続けることになるので、事前に人員を用意しておく工夫が必要です。

 また、大きさの割に単価が高いのでネット販売との相性も良く、収入をさらに上げることが出来るのは大きなメリットです。