りんご農業は儲かる
この記事では、りんご農業の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
りんご農業の年収
副業として50~60a(アール)程度の狭い敷地でりんご栽培を行っている農家の年収は100万円以下になることもありますが、2~3ha(ヘクタール)の広大な土地でりんご栽培を行っている人は会社員以上の年収を得ています。
りんご栽培だけで生活をしていくことを考えるのなら、広い畑が必要になります。
りんご農業の初期費用
効率化を考えるのなら大規模な土地で機械を導入していくことが求められますが、そうなると初期費用が1000万円以上になるのが普通です。
りんご農業のメリット
メリット1:ブランド品種が多い
りんごはブランド化が進んでいる作物です。
"ふじ"、"つがる"、"王林"といった品種が人気で生産量も多いですが、"シナノゴールド"や"さんフジ"、"名月"のような甘みの強い品種も根強い人気があります。
メリット2:高齢化と後継者不足
りんご農業は、他の農業と同じように高齢化の波が押し寄せています。
りんご農家の平均年齢は60代前半で、この先さらに上がり続けていくと考えられます。
メリット3:高い需要
りんごは、バナナに次いで日本で二番目に食べられている果物です。
安さや手軽さがりんごの人気を後押ししています。
りんご農業のデメリット
デメリット1:機械化が難しい
りんご農業は機械化することで労働力を抑えることが出来ます。
しかし、日本のりんご農地は山間部の斜面に作られることが多く、土地もまばらに散らばっていることもあるので、機械化がしにくいです。
デメリット2:労働生産性が低い
りんご農業は労働生産性が低いことが問題となっています。
その労働の時給換算は時給750円ほどとなっており、特に労働生産性を意識せず仕事をしているりんご農家は、さらに低い傾向にあります。
例えば、りんごの品種を増やして収入が少し増えたとしても、それ以上に労働時間が増えてしまい、より生活が苦しくなることもありえます。
デメリット3:寒冷な気候を好む
りんごは寒冷な気候を好む植物です。
栽培に適した気温は6~14℃で、その耐寒性はマイナス30℃前後でも枯れずに耐えられるほどです。
しかし、暑さには弱く日本のほとんどの地域では栽培が出来ません。
りんご農業のコツ
コツ1:1ha以上の畑
りんご農業で年収300万円以上になるには、1ha(ヘクタール)以上の畑が必要です。
りんごの専業農家の多い青森県のリンゴ農家が所有している畑の面積は平均1.1ha(ヘクタール)で、ちょうど年収300万円前後になる計算です。
コツ2:機械化
機械化の難しいりんご農業ですが、機械化をすることでさらに効率的に稼ぐことが出来ます。
しかし、りんご農家のうち1/3の農家は傾斜地にりんご農園を持っており、機械化の余地がありません。
これからりんご農家になる場合は、将来的な機械化を視野に土地を探すのがおすすめです。
コツ3:青森県
りんごの都道府県別出荷量はこのようになっています。
都道府県別りんごの生産量
1位:青森県(58.4%)
2位:長野県(18.2%)
3位:岩手県(6.5%)
4位:山形県(5.8%)
5位:福島県(3.3%)
日本で生産されるりんごのうち半分以上が青森県で作られています。
青森県もりんごの生産に力を入れており、JAの出荷体制が整っていたり、ノウハウも蓄積されています。
例えば、"CA貯蔵施設"というりんごを貯蔵するための施設がありますが、そこにりんごを貯蔵することで3~4ヶ月も出荷を遅らせることが出来ます。
品種によって生産時期を少しずらしつつ、貯蔵施設で出荷時期を遅らせることで、一年を通して安定的な出荷が実現しています。
まとめ:りんご農業は土地選びが重要
青森県は山がちな地形のため、農業に適した平坦な土地を見つけるのは難しいですが、土地選びは後で変更することは出来ないので、時間を掛けてでも良い土地を見つけたいところです。