スムージー専門店は儲かるのか?


 野菜や果物をまるごとジュースにするスムージーは、若い女性に人気の商材です。

 味や見た目だけでなく、健康や美容に対しても効果があると考えられていることが人気の要因となっています。

 しかし既にブームは過ぎており、これから参入しても稼げる可能性は『他の飲食店』に比べて低いです。


 この記事では、スムージー専門店の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。


スムージー専門店の年収


 スムージー専門店の年収に関する統計データはありません。


 しかし既にブームは過ぎており、平均年収100~200万円になると予想されます。


 あえてこのような難しいビジネスを始めるよりも『他の飲食店』の方が儲かりやすいと言えます。


スムージー専門店の初期費用


 スムージー専門店の初期費用は100~300万円です。


 狭い敷地で良いのと、冷蔵庫とミキサーさえあれば始められるので、かなり少ない資金で始められるでしょう。

 普通の飲食店だと開業資金1000万円が相場となるので、スムージー専門店は開業しやすいです。


スムージー専門店のメリット


メリット1:健康的なイメージ

 野菜や果物を使ったスムージーが健康的なイメージを持っていることは言うまでもありません。

 ドリンクの大半は味でしか集客出来ませんが、スムージー屋なら健康面からの集客も狙えます。

 若い女性には健康だけでなく美容効果をアピールするのも良いでしょう。


メリット2:拡大する市場規模

 スムージーの市場規模はここ10年で3倍以上の拡大をしており、その成長はまだ継続中です。

 やはり衰退する業界よりも成長する業界でビジネスをする方が稼ぎやすいです。


 一時ブームとなりかなり店舗数が増加しましたが、その多くは既に廃業しています。

 今なら、地方によっては需要があるのにお店がないエリアもあちらこちらにあるでしょう。


メリット3:簡単なオペレーション

 スムージーは、野菜や果物の他に、牛乳やハチミツなどをミキサーで混ぜるだけで作れます。

 メニューごとに適切な材料を入れてミキサーにかけるだけなので、初心者でもすぐに作れるようになります。


 オペーレーションが簡単なので、自分で開業する場合でも修行期間は必要ありませんし、アルバイトを雇う場合でも教育にお金や時間をかけなくてもすぐに即戦力として働いてもらえます。

 スムージー屋の他にも『かき氷屋』や『クレープ屋』もオペレーションが簡単で稼ぎやすいです。


メリット4:初期費用が安い

 スムージー専門店の開業にかかる費用はわずか300万円です。

 これくらい安く開業出来るなら、ブームに乗って短期的に稼いだ後にまた別のお店に挑戦するといった機動的な経営も可能です。

 また、仮に事業が失敗しても300万円くらいの借金なら5年もあれば返済出来るので、他のビジネスよりもリスクが小さいとも言えます。


メリット5:テイクアウト需要

 スムージ屋は基本的にテイクアウト型のお店です。

 テイクアウト型は、会計の時のみ接客をするだけで良いので、人件費や労働力の軽減に繋がります。

 反対に『うどん屋』のようなイートイン型の店だと、商品を届けたり、途中でお水を注いだり、後片付けをしたりと色々な雑務が増えてしまいます。


メリット6:ドリンクである

 スムージーのようなドリンクなら、小腹が空いている時や別のお店で食事をした後にも注文される可能性があります。

 『ラーメン屋』の後に『カレー屋』に行くことがないように、食事系のお店はお互いがライバル店になってしまいますが、ドリンク系のスムージー屋ならその心配はありません。


スムージー専門店のデメリット


デメリット1:廃棄ロスが多い

 スムージー専門店は、新鮮な野菜や果物を使う関係上、どうしても廃棄ロスが多くなります。

 メニュー数が増えれば増えるほど、用意する野菜や果物の種類も増えてしまい廃棄ロスも多くなります。

 極力無駄なメニューを作らず、王道の"グリーン系""ベリー系""バナナ""マンゴー"に絞って商品展開するのも手です。


デメリット2:自宅で作れる

 スムージーは調理が簡単で、自宅にミキサーがあれば誰でも作れます。

 たまにしかスムージーを飲まない人ならお店でスムージーを買って飲みますが、コアなファンはミキサーを買って毎日自宅で飲みます。

 つまり、常連となりやすい層がそもそも客にならないというジレンマです。


デメリット3:参入障壁が低い

 スムージー専門店はミキサーさえあれば始められる、非常に参入障壁の低いビジネスです。

 せっかく上手く経営して毎月安定した収入になったとしても、ある日突然近隣にライバル店が現れる可能性が他の飲食店に比べてかなり高いです。

 そうなっても良いように、明るい接客や綺麗な外観、インパクトのある見た目の商品など、少しでも顧客満足度を高めておきましょう。

 自店舗が苦しいということは、ライバル店も苦しいということです。

 先に資金力が尽きた方が廃業するので、資金に余裕を持っておくことも大切でしょう。


デメリット4:差別化

 スムージーの調理は、材料をミキサーに入れるだけの簡単な作業です。

 それ故に、どこのお店でも同じようなメニューが並び、味の違いも分かりません。

 このように、多店舗との差別化が図りにくいスムージー業界は、容器やストローを特徴的なものにしたりと少しでも他店との違いを出そうと努力しています。

 言い換えると、それくらいでしか差別化することがなく、近隣にライバル店が出来てしまえば簡単に客を奪い取られるでしょう。


デメリット5:ブーム

 『スムージー』という言葉は2012年頃から日本に広まりだしました。

 その後もテレビ番組で特集を組まれる度に小さなブームを定期的に起こしている状態です。

 テレビで特集されれば売り上げが伸びて、しばらくするとまた売り上げが落ちてくるというサイクルを起こしており、経営的に不安定になりがちです。


スムージー専門店のコツ


コツ1:インスタ映えを意識する

 スムージー屋のメインターゲットは若い女性です。


 そして、彼女たちはインスタを始めとしたSNSで情報を仕入れています。

 SNSを上手く活用することで、メインターゲットとなる若い女性が口コミを広げてくれます。


 そこで、容器やストローを可愛いものにしたり、スムージーの色合いが良くなる品種の野菜や果物を使うなど、いわゆる"SNS映え"するようなスムージーを目指しましょう。


コツ2:注文を受けてから作る

 自宅でも簡単に作れるスムージーだからこそ"特別感"が重要です。


 そこで、注文を受けてから商品を作り、手間をかけているアピールを行いましょう。

 注文を受けてから商品を作るので、作り置きに比べてたくさんの注文を捌けなくなりますが、客がレジ前で待ってくれていると"繁盛感"を演出する効果があります。


コツ3:少資本で開業する

 スムージー専門店は、『うどん屋』や『たこ焼き屋』と違いブームの波が激しいです。


 これからスムージー屋を開業しても、実際に稼げるのか赤字になってしまうのかは分かりません。

 仮に赤字になって1000万円の借金を背負ってしまうと、次の事業を興すことも難しくなりますし、返済のために5年10年を無駄にすることになります。


 そうならないためにも、出来れば100万円以内に、多くても300万円以内の初期費用で開業を行いましょう。

 これなら、実際に営業してみて上手くいかないと感じた時に、別のお店にリニューアルしたり飲食店以外のビジネスに転向するのも容易です。


コツ4:FC不要

 スムージー屋にはFC(フランチャイズ)方式を取っているお店もあります。

 FCに加盟するメリットとして、大手企業の看板を使えることやその企業のメニューを使えることが挙げられます。

 しかしスムージー屋には、集客効果が期待出来るほどの知名度を誇るFCグループはありませんし、調理方法も簡単なのでわざわざ本部のレクチャーは不要です。

 このようにあまりメリットがないにも関わらず、売り上げの10%前後をロイヤリティで支払わなければならず、経営を圧迫するだけです。


コツ5:外観

 スムージー屋が若い女性に流行っている側面の一つに"可愛らしさ"や"オシャレさ"があります。

 そこで、お店の外観を女性客が好むような可愛らしい見た目やオシャレな見た目にすることで可愛さやオシャレさを演出しましょう。


コツ6:在庫量の管理

 スムージーの材料には、新鮮な野菜や果物が使われます。

 野菜や果物は比較的腐るのが早い食べ物なので、大量に仕入れ過ぎてしまうと廃棄処分する量も増えてしまいます。

 かといって、材料が足りなくなれば売り切れを起こしてしまうので、その日の天気や気温、周辺のイベント情報などを盛り込んで、ちょうどよい量を仕入れる技術が求められます。


まとめ:スムージーブームは終了しているが・・・


 スムージー専門店は既にブームが過ぎているので、稼ぐのは難しいです。

 しかし、ブームのお陰で広く一般に知られたため、コアなファンが増えたのも事実。

 そこで、初期費用やランニングコストを抑えた小規模な経営をして小さく稼ぐのがおすすめです。


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