メロンパン専門店は儲かるのか?


 メロンパン専門店は既にブームが過ぎ去っており、今から出店しても儲けるのは難しいです。

 実際に、2015年のブームの頃に乱立していたメロンパン専門店を現在街中で見かけることはありません。

 この記事では、メロンパン専門店の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。


メロンパン専門店の年収


 メロンパン専門店の平均年収の統計データはありません。

 しかし、年収100~200万円がほどが相場と推測されます。


 かなりの長時間労働をしてもアルバイトくらいの収入にしかならず、本業としてやっていくのは難しいでしょう。


メロンパン専門店の初期費用


 テイクアウト専門のメロンパン屋を開業するなら、初期費用200~300万円で始められます。

 『居酒屋』のような普通の飲食店なら最低でも1000万円以上の初期費用がかかります。

 それと比べるとかなり少資本で始められるメリットがあります。


メロンパン専門店のメリット


メリット1:若者に人気

 メロンパンはお年寄りよりも若者に人気のパンです。

 10代20代の好きなパンランキングのトップ5にランクインしています。

 お年寄りよりも若者が集まる場所に出店する方がメロンパン専門店で稼ぎやすいでしょう。


メリット2:テイクアウトしやすい

 持ち運びにくい『ラーメン屋』や『うどん屋』は、基本的にテイクアウト出来ません。

 その点でメロンパンなら持ち運びも簡単で、食べ歩きにも対応しています。

 よって、人通りの多い場所に出店すると、"ついで買い"してもらえることも多いです。


メリット3:ライバルが弱い

 個人経営の『パン屋』のライバルとなる大手チェーンには、"リトル・マーメイド"や"ヴィ・ド・フランス"など全国に約250店舗を構えるような巨大グループが存在します。

 しかし、メロンパン専門店にはそのような強力なチェーン店はありません。


 資金力の乏しい個人経営者が、メロンパン専門店のような市場規模の小さいニッチなジャンルで勝負するのは理にかなっています。


メリット4:仕入れのしやすさ

 メロンパンを作るのに必要な材料は小麦粉や砂糖、卵とスーパーでも簡単に調達出来るものばかりです。

 よって、日本国内や世界全体に大きな事変が起きて経済や物流が麻痺しても、仕入れに困ることはありません。


メリット5:季節性のなさ

 飲食店の中には、『かき氷屋』や『焼き芋屋』のような季節限定のお店も存在します。

 メロンパンも暑さが厳しい真夏日には売り上げが減少する特徴がありますが、1年を通して安定的な売り上げが期待出来ます。


メリット6:自宅で作れない

 『おにぎり』や『たこ焼き』は自宅でも簡単に作れるため、自宅で作るよりも圧倒的に美味しくないとわざわざお店で買おうとはなりません。

 その点で、メロンパンは自宅で作るのは難しく、自宅で作るメロンパンとお店のメロンパンを比較をされることはありません。


 それでも、『パン屋』や『コンビニ』にもメロンパンは売られているので、メロンパン専門店としてそれ以上に美味しいメロンパンを作らなければならないことは変わりありません。


メロンパン専門店のデメリット


デメリット1:客単価が低い

 メロンパンは1つ150~200円と飲食物の中ではかなり安価です。

 仮に、1人あたり2つずつ買ってくれるとしても客単価は300~400円です。


 比較として、『焼肉屋』の客単価は3,000~5,000円です。

 メロンパン専門店が『焼肉屋』と同じ売り上げを目指すには、10倍以上の客を呼ばなければなりません。


デメリット2:メニューが少ない

 メロンパン専門店は、基本的にメロンパンのみを販売します。

 普通の『パン屋』なら、クロワッサンと焼きそばパンをまとめ買いしてもらえることがありますが、メロンパン専門店はそれがありません。

 故に、どうしても客単価が低くなります。


 また、普通の『パン屋』ならクロワッサンが食べたい人も焼きそばパンが食べたい人もお店にやってきてくれますが、メロンパン専門店にはメロンパンを食べたい人しか集まってくれません。

 つまり、集客力の面でも普通のパン屋に劣ります。


デメリット3:ブームが過ぎている

 メロンパンブームは、2015年頃に起きていました。


 その頃なら、メロンパンの看板を掲げるだけで勝手に行列が出来ました。

 しかし、現在はそのブームも消滅しており、今メロンパン専門店を始めても行列を作るのは難しいです。

 それでも、地道に美味しいメロンパンを作って評判を広めていけば、生活していけるだけの収入を得ることは無理ではありません。


デメリット4:労働時間

 飲食店の労働時間は、お店の営業時間だけではなく、その前後の準備や片付けの時間も含まれます。

 さらにメロンパン専門店には、開店前にメロンパンを焼き上げる時間も必要になります。

 メロンパンを作る段階には発酵の為に寝かせる時間もあり、1つのメロンパンを作るのに3~4時間かかるのが普通です。

 つまり、お店の開店時間よりさらに3~4時間も早い時間から仕事を始めなければならず、無計画に経営すると長時間労働になりがちです。


デメリット5:参入障壁

 メロンパン専門店は一つの商品を作るだけなので、『普通のパン屋』よりも少ない修行期間で独立出来ます。

 また同様の理由で、設備投資も『普通のパン屋』よりも少なくて済むので初期費用を抑えやすいです。

 つまり、メロンパン専門店は参入障壁が低いビジネスで、せっかく経営が軌道に乗ってきても急にライバル店が出てくる可能性があります。


 そうなっても良いように、日頃から地元に支持されるお店作りが大切です。


メロンパン専門店のコツ


コツ1:ブームに乗っかる

 これまでのメロンパンブームは、1993年頃、2005年頃、2015年頃に起きています。

 このように10年ごとに1度メロンパンブームが訪れるので、次のブームまで別のお店を経営しておいて、ブームの兆しが見えたらすぐにメロンパン屋に転向するのがおすすめです。

 また、1年もすればブームが過ぎてしまうので、半年ほど本気で稼いでブームが終わる前に撤退するのが良いでしょう。


コツ2:スーパー以外の出店

 移動販売店で出店する場合に、まず選択肢に入るのがスーパーの駐車場です。

 しかし、スーパーの中にもパン屋が併設されていることが多いので、わざわざ品数の少ないメロンパン専門店でメロンパンを買う人は少ないです。

 それよりも、周りに飲食店やスーパーが無い場所に出店する方が、ライバルがいない分稼げます。


コツ3:初期費用を抑える

 メロンパン専門店には、10年後も20年後も経営していけるような安定性はありません。

 出来るだけ初期費用を抑えて、いつ撤退しても借金が残らないようにするのが鉄則です。


 内装や厨房機器などで中古で揃えられそうなものは、率先して中古品で代用しましょう。


コツ4:多店舗展開

 メロンパン専門店は、修行期間が短く初期費用も抑えやすいので、多店舗展開との相性は良いです。

 1店舗目が軌道に乗ってきたら、そのノウハウを活かして2店舗目、3店舗目と出店していけば、収入も比例して増えていきます。


 注意点として、メロンパンの需要はそれほど大きくないので、近隣に出店し過ぎると自店舗同士で客の奪い合いが起こります。

 かといって、自店舗同士があまりに遠すぎると人員や物資の移動が困難になるので、両者のバランスを取った立地に出店するのが効率的です。


コツ5:イベント出店

 キッチンカーを購入してイベント会場へ出店するのもおすすめです。


 普段節約に励んでいる人でも特別な日には財布の紐が緩むのが人の心理です。

 通勤や通学時には見向きもしないメロンパン専門店も、イベント会場では並んででも食べたくなることがあります。


コツ6:外観

 メロンパンは男性より女性に好まれる食べ物です。

 女性は男性に比べて綺麗好きな人が多く、お店の外観が汚れているとそのお店を嫌厭します。

 少し大変ですが、毎日お店の外観を清掃して汚れや蜘蛛の巣がない状態にしましょう。


まとめ:メロンパン専門店は儲からない


 メロンパン専門店は儲かりません。

 寝る間を惜しんで長時間労働をしても年収200万円以下になる可能性の方が高いです。

 もしメロンパン専門店で稼ぐのなら、ブームが起こるまで待って短期間で稼ぎ切ると良いです。

 特にメロンパン屋にこだわりが無いのなら、『他の飲食店』の方が圧倒的に稼ぎやすいです。