高級食パン屋は儲かるのか?
かなり強い思い入れがない限りは、『別の飲食店』を経営することをおすすめします。
それでも、高級食パン専門店を開きたいと考えるのなら、移動販売も視野に入れましょう。
この記事では、高級食パン専門店の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
高級食パン屋の年収
それでも、ブームの最中なら年収500万円以上も目指せたでしょうが、ブームの過ぎた現在では年収100~200万円稼ぐだけでも大変です。
高級食パン屋の初期費用
高級食パン専門店にイートインスペースは不要なので、狭い敷地でも大丈夫です。
また、単体の商品を作るだけなので、厨房設備も最小限です。
高級食パン専門店ならその1/3の費用で始められます。
高級食パン屋のメリット
メリット1:少ないメニュー数
高級食パン専門店は、基本的に1つのメニューだけで営業を行います。
普通の『パン屋』なら、常時20~30種類のパンを作らなければなりません。
一つ一つのパンはそれぞれ作り方が違うので、種類が多くなるほど作る手間が増えます。
また、売り切れにならないように余分にパンを作るとすると、種類が増えれば増えるほど廃棄ロスも多くなります。
高級パン専門店ならそういったデメリットがなく、効率的に営業が出来ます。
メリット2:高単価
普通の『パン屋』は、1つ100~200円のパンを販売して、客単価は約500円です。
一方の高級食パンは、1斤で1,000円とかなり高額です。
高級食パンも普通のパンも作る手間や販売する手間はそれほど変わりません。
よって、少ない労力で高い売り上げを狙えます。
メリット3:原価率の低さ
実は高級食パンも普通の食パンも使っている材料にそれほど違いはないので、販売価格が高い高級食パンの方が相対的に原価率が低くなります。
1斤1,000円以上で販売されている高級食パンの原価はおよそ300円ほどなので、1,000円で販売するなら原価率30%。1,200円で販売するなら原価率25%です。
高級食パン屋のデメリット
デメリット1:ブームが過ぎている
周知の通り、既に高級食パンブームは過ぎ去っており、高級食パン店の廃業が続いています。
これから出店するのは、完全に時期が遅いといえます。
それは、商品自体が美味しくて価格も安く、ファンが一定数いるからです。
しかし、高級食パンは物珍しさでブームとなっただけで価格もかなり高いため、次のブームが起こる可能性はほぼゼロでしょう。
そういった意味でも、高級食パン屋を開業することはおすすめしません。
デメリット2:賞味期限が短い
高級食パンも普通のパンと同じく、賞味期限は2~3日です。
高級食パンの多くは、スーパーやコンビニで売られている食パンよりも1.5倍ほど大きいです。
それを2~3日で食べきるには、3~4人家族で毎朝食べるペースでないと消費しきれません。
一人暮らしで高級食パンを食べきるのはかなり難しいでしょう。
デメリット3:砂糖の大量使用
ブームによって高級食パンが世間に広まると、高級食パンには大量の砂糖や生クリーム、ハチミツを使っていることも知られてしまいました。
近年の健康志向の高まりに対して逆行するこの情報は高級食パンの売り上げ減を引き起こしました。
デメリット4:参入障壁
高級食パンは、初期費用も安く技術力もそれほどいりません。
ブームと分かると一気に出店が相次いだことからも分かるように、参入障壁が低いビジネスなので近隣にライバル店舗が急に出店することもあります。
デメリット5:差別化
高級食パンは、食パンというシンプルな食べ物を販売しているので、多店舗との差別化が難しいです。
『ラーメン屋』なら一口食べるだけで分かるくらいお店ごとに味の違いがありますが、高級食パンのお店ごとの味の差はほとんどありません。
高級食パン屋のコツ
コツ1:そもそも参入しない
高級食パンブームは既に過ぎ去っており、これから開業してもほぼ確実に失敗します。
あえてそのような泥舟に乗るよりも、他の飲食店を始める方が成功率が高いです。
コツ2:ライバルがいない地域を狙う
あえて高級食パン専門店をこれから開業しようとするなら、まずは市場調査を念入りに行ってライバル店がいないエリアに出店をしましょう。
地方なら今までに高級食パン店が出店したことのない町もあるでしょう。
普通の『パン屋』と高級食パン専門店はそれほど競合することはないので、そちらはあまり意識しなくても良いでしょう。
コツ3:移動販売車の活用
移動販売車の初期費用は100~200万円と少額です。
また、出店エリアを毎日変えられます。
高級食パンはその珍しさが受けてブームとなりましたが、リピーターになる人は少ないです。
言い換えるのならば、まだ高級食パンを食べたことのない人が高級食パン専門店のメインターゲットになります。
そのような人々を色々な場所に出店しながら拾っていけば、まだまだいくらかは稼げる可能性があります。
また、50万円もあれば移動販売車を改造して別の飲食店としてリニューアルすることも出来ます。
コツ4:外観と内装
"エルメス"や"ルイ・ヴィトン"のような高級ブランドのお店のショーケースに蜘蛛の巣が張っていたら違和感を感じるように、高い物を売るお店のサービスは上質なものであると考えがちです。
"高級"食パンを謳っているお店の看板が汚れていたり店内にゴミが落ちていたら、そこで高級食パンを買いたいと思わないはずです。
お店が綺麗で困ることはないので、徹底的に清掃や整頓を心がけましょう。
コツ5:他のメニュー
高級食パンだけを売る専門店もコンセプトとしてはありですが、普通のパンも販売しつつメニューの一つに高級食パンがあるというお店の方が様々な客層を集められるので稼ぎやすいです。
仮に高級食パンブームが完全に終了して1つも売れなくなっても、そのまま普通のパン屋として経営していけます。
まとめ:高級食パン屋のブームは終了している
それでも高級食パン専門店を開きたいのなら、移動販売車がおすすめです。
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