サバ漁は儲かるのか
"関サバ"や"金華サバ"のようなブランドサバが有名な地域でサバ漁を行えば、会社員の平均年収以上を稼ぐことも可能です。
また、日本全国で漁獲されるので、引っ越しせずに漁師になりたい人にもおすすめの漁です。
この記事では、サバ漁師の平均年収や盛んな地域、有名ブランドやノルウェー産のサバについて解説します。
サバ漁師の平均年収
低収入になりやすい沖合漁業の中では、サバ漁の収入は高めです。
ただし、会社員と比べると収入が不安定な点に注意が必要です。
雇われ漁師の場合は、"固定給+漁獲量に応じた歩合給"であることが多いので、大漁が続くと収入が多くなりますし、不漁が続くとほとんど歩合給が付かないこともあります。
さらに、独立して親方になった場合は、漁獲量がそのまま自分の収入に直結するので、極端な例では漁獲量よりも船の燃料代の方が高くなってしまい赤字になることもあります。
サバ漁が盛んな地域
都道府県別サバの漁獲量
1位:長崎県(15.9%)
2位:茨城県(15.6%)
3位:三重県(11.1%)
4位:静岡県(8.8%)
5位:宮崎県(7.7%)
サバ漁は日本中の主に太平洋側で盛んに行われていることが分かります。
北海道のサバ漁
2000年代の北海道ではほとんどサバが取れませんでした。
しかし、近年では年を追うごとに北海道でのサバの漁獲量が増えており、現在では全国8位の漁獲量になっています。
これは、海水温の上昇などの気候変動が要因とされています。
宮城県のサバ漁
宮城県のサバ漁獲量は全国10位です。
宮城県で取れるサバは"金華サバ"と呼ばれ、日本三大サバの一つとされています。
宮城県沖は親潮と黒潮がぶつかり合いプランクトンが豊富という特徴から、良質なサバが取れると評判です。
サバ漁のシーズン
しかしその中でも、夏頃は産卵のためにやせ細っており秋~冬に再び油が乗るので、秋~冬が旬となっています。
秋に取れるサバを"秋サバ"、冬に取れるサバを"寒サバ"と呼んで珍重しているのはご存知の通りです。
また、近年ではサバの養殖も普及してきており、かつてよりも一年を通して安定した供給が行われています。
サバ漁の方法
巻き網漁は1~2隻の船でサバの群れを囲うように網を広げていき、徐々に網を絞って漁獲する方法です。
定置網漁は、サバの群れが通る箇所に事前に罠のように網を仕掛けておく方法です。
どちらの場合も、釣り針で1匹ずつ釣り上げるのではなく、網でまとめて取るので効率的に稼げます。
サバ1匹の値段
ただし、"関サバ"なら1匹2,000円以上しますし、条件の厳しい"金華サバ"なら1匹1万円以上する時もあります。
また、大量生産しているノルウェー産の養殖サバの価格は1匹300円と、国産の天然サバと比べると圧倒的に安いです。
サバの漁獲量推移
また、国内に流通しているサバの5割はノルウェー産の輸入品です。
このように、日本国内のサバ漁獲量が減っているのは、気候変動による海水温の変化が要因と考えられています。
これにより、国内の鯖缶の製造に影響が出ていたり、スーパーで売られる国産サバの価格が上昇したりと問題も起きています。
今後も急激に海水温度が元に戻ることは考えにくいため、サバの漁獲量減少は続くでしょう。
ノルウェーのサバ漁師の年収
日本のサバ漁師の年収が350万円なので、ちょうど倍の高年収となります。
かつてのノルウェーも現在の日本のように漁師の低収入が問題となっていましたが、徹底的な漁獲制限を設けることで、単価の低い稚魚を取らずに大きく育った魚を取るようになり収入が倍増しました。
サバと養殖業
日本各地で養殖されているサバは、付加価値を付けてブランド化に成功しています。
お嬢サバ(鳥取県)
"お嬢サバ"はJR西日本と鳥取県が共同開発した養殖サバです。
名前の通り、まるでお嬢さまのように水槽内で育てられたサバは、アニサキスなどの寄生虫がつきにくく、白子や肝も生で食べられると評判です。
長崎ハーブ鯖(長崎県)
"長崎ハーブ鯖"は読んで字のごとく、ハーブを混ぜた餌を食べて育てられたサバです。
ハーブを食しているためか、他のサバのような臭みがないのが特徴です。
小浜よっぱらいサバ(福井県)
"小浜よっぱらいサバ"は、餌に酒粕を混ぜていることから"よっぱらい"という独特なネーミングになっています。
餌に酒粕を混ぜることで、臭みがなく、ほのかにさわやかな香りがすると言われています。
唐津Qサバ(佐賀県)
唐津市と九州大学の共同開発により、日本で初めて完全養殖に成功したのがこの"唐津Qサバ"です。
"Q"の字は、九州大学の"九"とクオリティ(Quality)のアルファベットから付けられました。
まとめ:サバは日本全国で取れるのがメリット
また、"関サバ"や"金華サバ"が取れる大分県や宮城県ならさらに高い収入が期待出来るでしょう。
ノルウェー産の安いサバが大量に輸入されていますが、日本人は国産信仰が強いのでこれから先も仕事が無くなったり収入が激減するようなことはありません。