ブリ漁業は儲かる
このように大きさによって名称が違うのは、古くから日本人に馴染みの深い証拠です。
そんなブリ漁師の年収は、沖合漁業の中では高く、ブリ漁はおすすめの漁業です。
この記事では、ブリ漁師の平均年収やブリ漁が盛んな地域、最も高く売れたブリの価格などを解説します。
ブリ漁師の平均年収
比較的収入の低い沿岸・沖合漁業の中では、ブリ漁師の年収は高めです。
その点でブリ漁は、毎日陸上に戻るか2~3日に一度陸上に戻れるので、小さなお子様のいる漁師にも人気です。
天然ブリと養殖ブリ
少し古いデータですが、平成30年のブリ漁獲量は、天然物が約10万トン、養殖物が約14万トンとほぼ拮抗しています。
卸売価格は天然物と養殖物にそれほど価格差はありませんが、天然物の方が時期により価格変動が激しく、養殖物は一年を通して価格が安定しています。
養殖技術も日々向上しているため、安直に『天然ブリ>養殖ブリ』とは言えません。
ブリ漁業が盛んな地域
都道府県別ブリ漁獲量
1位:鹿児島県(25.6%)
2位:大分県(17.1%)
3位:愛媛県(15.9%)
4位:宮崎県(9.3%)
5位:高知県(8.0%)
ブリは温暖な気候を好む回遊魚なので、日本全国でも九州や四国地方で多く漁獲されています。
せっかくブリ漁師になるのなら、九州に移住した方が安定的に高収入が狙えるでしょう。
鹿児島県長島町の"鰤王(ぶりおう)"
ブリ漁獲量日本一の鹿児島県にある長島町では、古くからブリの養殖業が盛んで、現在でも全国で生産されている養殖ブリのうち、約10%を長島町だけで生産しています。
鹿児島県は、温暖な気候と入り組んだ海岸線による適度な海流がブリの養殖に適しています。
そんな長島町で養殖されたブリは"鰤王(ぶりおう)"と呼ばれ、名前に負けないように日本一のブリを養殖しようと、漁師や漁業組合が協力して生産体制を作り上げています。
北海道のブリ漁
しかし近年では、海水温の上昇により2000年頃から北海道でもブリが取れるようになりました。
まだ歴史の浅い北海道産ブリは、これから先もさらに漁獲量が増えていくことでしょう。
反対に、このまま海水温の上昇が続くと、いずれ九州・四国地方でブリが取れなくなる日も来るかもしれません。
天然ブリの漁獲量推移
天然ブリの漁獲量はここ数年、安定した推移を示しています。 海水の温度上昇により、日本近海でブリの漁獲量がやや増加しています。
漁獲量が急激に増えすぎると価格の暴落が心配になりますが、現状のブリの漁獲量は緩やかな上昇傾向なので価格の暴落は起きていません。
ブリの最高値/高級ブランド"煌"
初めてその"煌(きらめき)"に認定された寒ブリは1匹400万円で落札されました。
普通のブリは1匹5千円ほどで売買されているので、この寒ブリは普通のブリの800倍もの値段がついたことになります。
ただし、簡単に取れるものではなく、煌の認定条件は次のように厳しいです。
煌(きらめき)の認定基準
・12~1月に能登で獲れた天然ぶりであること
・14kg以上であること
・傷がなく胴回りが十分あること
・水揚げしたぶりの鮮度の管理が徹底されていること
・資源管理に取り組んでいること
重さだけ見ても、平均的なブリの重さは8kg程度なので、14kg以上のブリを見つけるだけでも骨が折れます。
その他の条件も満たすブリは、一年に一匹現れるかどうかのレベルでしょう。
一匹のブリは何人前?
その寒ブリを刺し身にすると1匹あたり40~50人前になります。
一部を冷凍保存するにしても、個人宅で1匹丸々購入するのは難しそうです。
まとめ:ブリ漁業は高単価で儲かる
九州や四国地方で盛んにブリ漁が行われているので、本気で稼ぎたい人は九州や四国への移住を検討すると良いでしょう。
またブリ漁は、数ヶ月家に帰れない遠洋漁業ではないので、家族持ちにもおすすめの漁業です。